ドラマ版 東京タラレバ娘 1話はトゲを抜かれてる感じ

 東村アキコの作品が好きで、東京タラレバ娘はコミックスが出始めのころによく楽しんでいた。

読み始めたときは、ちょうど主役たちと自分の状況が重なるタイミングで、エピソードやモノローグにはいちいち心をグサグサと刺されるようなつらさがあったが、ハッとさせられたり奮起したりという感覚がとても楽しかった。

 

 そんな漫画がドラマ化するというので早速1話を観た。

漫画のストーリーをなぞっているはずだが、なんだろう、この妙なテンポの悪さ…。
キャスティングの微妙さや、主人公の年齢変更に伴う違和感が指摘されているようで、きっとそれもなきにしもあらずだが、原作の持ち味であるあの小気味いい辛辣さが、なんだか全然無い。

私が読んだ東村先生の作品はどれもキャラクターに活気があってダイナミックで、ギャグの切れ味が鋭く、テンポがもの凄く良い作品ばかりで、読むと心底活気づけられる。とっても刺激的だ。タラレバに関しては、さらに心を抉る教訓的な内容なので、刺殺されるかのような酷い刺激があるがそれが良いところ。まるで、痛いマッサージを受けているような、いわゆる痛気持ちいいという感覚。それがおそらく、大衆向けのテレビドラマでは表現しきれないのだなという感想を抱いた。

例えば、
「酔って転んで男に抱えて貰うのは25歳までだろ、30代は自分で立ち上がれ
もう女の子じゃないんだよ?おたくら」という辛辣なセリフが、
「いい歳した大人は自分で立ち上がれ」という表現に変更されている模様。
確かにテレビならば「25歳」「30代」という具体的な年齢は避けた方がいいのかもしれないが、27、28、29…と、1年ごとに年齢をカウントダウンして気にする、いわゆるアラサー女性にとって、ここが改変されると心に響くか響かないかがとても変わってくるんじゃないか。
私なら「大人ってまだ先だろう」と他人事に思ってしまう。

原作には「もう33歳だけど40オーバーの独身女よりは 全然マシ」というセリフもあるのだけれど、これもドラマじゃ使えないのだろうなあ。

トゲを抜かれたドラマは、どこまで共感してもらえるのだろう。

 

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関係ありませんが、大島優子ちゃんファンなので応援はしています。